寮長ブログ

100年続く佐賀県民寮「松濤学舎」で寮長してます!

8月 松濤学舎 ニューヨークへの旅

   ニューヨーク体験記

                          松濤学舎 寮長 藤井祐聖

 

ニューヨークでの陽気な話をする前に、なぜこのタイミングで海外に行ったのかを理解しなければただの旅行になる気がするので大学生の叫びを聞いてほしい。

 

 

 

 

私は、いわゆる就活生である。上京して2年が経ち、やっとの想いで通学できるようになった学校ではすでに就活の雰囲気が漂い始めていた。あいつはどこそこのすごい企業のインターンに行っているだとか、今受けている企業の最終面接まで行ったとか、俺もこの夏はインターンに行かないといけないだとか、そんな話ばかりである。友達に限ったことではない。親や周りの大人は就職活動を煽り立ててくる。

 

しかし、コロナで失われた2年間のキャンパスライフを悔やんでいる暇はなかった。あっという間に就職活動という大きな壁が本当に目の前に来てしまったのである。そんなことを考えていると面白い本に出会った。

金間大介さんの「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」という本である。

この本には感銘を受けた。自分の実力を他人と比べて劣っていると感じるのも嫌だが、就活という荒波を前に自分を見失って空気と同調圧力に飲まれるのはもっと嫌だと強く思った。今年の夏は他人と比べるのではなく、自分自身を知るために時間を使いたい。

 

誰にも干渉されない自分だけの時間を作り自己探求したい。その結果ニューヨーク行きの切符を手に取ったのである。この切符を取るのも一苦労であった。なんせ、往復30万円である。大学生には高すぎてバイト代をいくら貯金すればいいものか。お金はないが時間はたっぷりあった。

 

なんとか方法を探して30万円稼ぐことができた。みかんを販売したのである。将来はおじいちゃんの後を継いで百姓になる。そう言って上京したからには、大学生の期間に自分で価値を見出したかった。祖父母の言い値よりも1kgあたり100円単価をUPさせて販売した。付加価値分は僕がもらえる金額だ。自分の力で生み出した価値を、自分を成長させるために使う。こんなに素晴らしいことはないと我ながら誇りに思う。なんだか就職活動の自己PRみたいな文章になっていてつくづく、就活脳になっているなと嫌気がさすが、ニューヨーク体験談に移ろう!

 

 

 

コロナ禍で海外道

 約2年間、コロナの影響で海外渡航が禁止されていた中、やっと海外に行くことができました。アメリカのニューヨーク州に行きました。世界の中心と言われるほど大きな都市だと思います。故郷佐賀県のことを思うと、とんでもなく違う風景です。コロナ禍ではありますが、案外簡単に行くことができます。ただ、日本に帰るときが面倒です。ワクチン接種、陰性証明書など多くの雑務が伴い、本当に面倒でした。20日間ほど滞在していました。成田空港から片道13時間かけてJFK空港に向かい、そこからエアトレイン→地下鉄→アムトラックの順番でホームステイ先まで向かいました。地下鉄はお金を要求してくるホームレスや発狂する人もいて怖い思いをしました。

 

 

・生活スタイルの違い

日本からすると地球の反対に位置していますので生活スタイルはとても異なっていました。家がとても大きいのです。天井も机も椅子も、何もかもがそのまま大きくなっていて笑ってしまうほどです。夜に使うキャンドルがバケツくらい大きかったのは衝撃でした。次に驚いたことは靴を履いて家に上がっていいことです。友達が来た時も靴で入ります。質問したところ、普通は靴を履いて生活はしないが、すぐ外に出る時などは靴を履いて部屋をウロウロすることもあるそうです。これじゃ床にゴロゴロできないなと。お風呂もありませんでした。基本シャワーのみで湯船に浸かる文化はありません。日本に帰ってからはすぐ銭湯に行きました。日本人にとってお風呂はインフラだと改めて思いました。佐賀県は最近、サウナで賑わっていますね。日本最大級のサウナもできたのでぜひ行ってみてください!

 

 

アメリカ人の人柄、日本人との違い

romanticでkindnessな人が多い。

アメリカ人はフレンドリーな人が多いという印象を持っている人が多いと思いますが本当にその通りでした。私がホームステイした家のお父さんが会ってすぐ言った言葉がとても印象に残っています。「お前は俺の息子だ」こんな感じです。次にこう言われました。ここではYES/NOをハッキリ言って欲しい。曖昧な日本人の性格をよくわかっていらっしゃる。空気を読むことをせずに、自分が好きだ、嫌いだと思ったことを言うのは当たり前のことなのだと改めて実感しました。その方が自分の人生を生きることができるのだと思いました。

 

 

朝ご飯

 

食文化の違い

食文化に関しては違いすぎて驚きの連続でした。まず、食文化が違うと体型も違いますよね。その辺を歩いているアメリカ人、デカすぎます。太っている人は相撲取りみたいな人ばかりです。みたことないくらい大きいお尻。最初の1週間はアメリカの食事を思いっきり楽しむと宣言して、ステーキ、ハンバーガーなどジャンクフードをジュースと一緒に流し込みました。胃もたれしたり、お腹痛くなったりして早く日本に帰りたくもなりました。野菜が本当に少ない!5大栄養素を考えた時に、圧倒的にビタミンが少ないです。また、量も半端じゃないです。僕の横の人は650gステーキをペロリと食べました。ジュースもスターバックスで例えるとベンティーが通常くらいです。アメリカ生活の後半は、ヘルシーに野菜や果物を中心とした生活にしてなんとか健康を維持できました。そして、アメリカではお寿司とラーメンの人気がとても人気です。特に、九州でお馴染みの豚骨ラーメンは大盛況でした。「一蘭」や「屯ちん」など有名な日本のラーメン屋さんには長い行列ができていました。しかし、アメリカでのラーメンの位置付けは日本と違うことも感じました。私は大学で経営学を専攻しているのでそちらの視点でラーメンの違いを見てみると、アメリカでは高級品レストランの位置付けでしょうか。「屯ちん」と言うお店に行きました。日本の池袋駅にもある美味しい豚骨ラーメン屋さんです。

 

はみだす具材

 

ニューヨークの屯ちんではラーメン一杯2600円ほどでしょうか。替え玉は一杯です560円です。店内は高級レストランの雰囲気が出ていて、照明は暗く、高そうなお酒が並んでいます。使用されるお皿もシンプルで美しく、畳の部屋まで用意されていました。そんなにゆっくり食べたら麺伸びるよ。と言いたくなるほどゆったりとした雰囲気でお客さんも楽しそうに会話しながらくつろいでいました。日本では美味しいラーメンは黙ってすすると聞いたことがあります。国によってこんなにもビジネス形態が違うことを肌で感じることができよかったです。

 

まとめ、感じたこと、日本と比べてみて

私は、これまでにシンガポールと台湾に滞在したことがあります。その中でもニューヨークは最もクレイジーで多様性に満ちている場所だと感じています。アジア系、アフリカ系、欧米系などさまざまな人種の方が生活を共にしており、お互いを認め合っています。寛容な心を持ち、それによって自分にとっての異質を受け入れる力がニューヨークにはあるように感じました。

だからこそ個性を恥ずかしがらずに前に出すことができる環境があると思います。みんな輝いているように見えました。金子さんの言葉を借りると「みんな違ってみんないい」を目の当たりにしました。日本人の性格は「みんな一緒でみんないい」が根底にあるような気がします。

同調圧力の塊が多くみられます。冒頭に書いた就職活動もその一つだと思います。自分らしい生き方、個性を模索し続けることは自分の好き、嫌いの定義を定め続けることだと思います。その定義は変化してもいいです。アメリカで人々が輝いて見えたのは好きなものは好きと言える素直さが全てなのではないかと思いました。自分探しのニューヨークで大切なものを再確認しました。ありがとうニューヨーク。

 

屋根でギター 気分爽快



 

大学生のうちに海外に行った方がいい理由

・自分探し、誰もいないところで自分が感じるままに、誰にも影響されることなく動き、思考することができる。好きなものを好きと言える素直さの再確認ができる。

 

・海外から日本に戻ると、多くの人に海外の話を聞かれる。そこで他者に自分が感じたことや印象的だったことを話すにつれて自分を映し出すことができる。

 

つまり、海外に行くこと自体も素晴らしいが、その出来事を他者と共有することこそが自分を見つけるための方法なのである。

 

 

以上。約1ヶ月のニューヨークの旅でした!

 

こんなに長い文章を最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。海外の話させてください!自分探しのために!笑

 

自分探しを続けて楽しい人生を送りましょう!

 

 そいぎんた、佐賀県民寮松濤学舎で!